疲れている時や、口の中を噛んでしまった時、ふと気づくとできていることの多い口内炎。食事が楽しめなくなる上に、症状がひどいものであれば睡眠すらも辛くなってしまうことがあります。
口内炎ができたらしばらく放置して気がついたら治っていたということが一般的かもしれませんが、歯科医院にかかれば適切な処置を受け、早期に症状を抑えられることがあります。
この記事では、歯のコンシェルジュであるくま先生と診察に来た患者さんの会話から「口内炎の原因や治療」について見ていきます。
この口内炎、痛そうですね…。
そうなんです…。
食事したり、人と話すのが辛くて……。口内炎ってなんでできるんですかね。
実はなにが原因でできてしまうのかはっきりと解明されていません。
ありきたりな病気なのに、原因ははっきりしていないなんて驚きです!
そうなんです。一般的には、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足などが原因と考えられています。
特にビタミンBが不足すると、口内炎はできやすいと言われていますね。
確かにここのところ、最近買ったゲームにハマりすぎて睡眠不足が続いていたかもしれません。
この口内炎ってどれくらいで治るものなんですか?
この口内炎は、「アフタ性口内炎」といって、通常1〜2週間で治ります。
口内炎にも種類があるんですか?
そうなんですよ。大きく、「アフタ性口内炎」「ヘルペス性口内炎」「カンジダ性口内炎」「カタル性口内炎」の4種類に分けられます。
そんなにたくさんあるんですね。全然知らなかった。
それぞれどんな症状が出るんですか?
まずよく見られるのが、アフタ性口内炎ですね。
表面が白、または黄色の膜で覆われていて、健康な粘膜との境界線がはっきりとわかる口内炎です。
僕の口の中にあるのが、このタイプなんですね。
そうですね。
通常1〜2週間程度で自然に治るんですが、繰り返しできるものもあって、それは「再発性アフタ性口内炎」と呼ばれます。
頬の内側や舌、唇の裏側や歯茎などにできやすく、悪化すると痛みがあり、食べ物がしみます。
治ったと思ってもまたすぐにできるのは、「再発性アフタ性口内炎」のせいだったんですね!
次が「ヘルペス性口内炎」です。
口内だけでなくて、唇の外側にもできる口内炎ですね。ヘルペスウイルスに感染することで症状が現れます。
ヘルペスって、聞いたことがあります。熱も出るんですよね?
そうですね。感染した場合は、潜伏期間を経てから場合によっては発疹や高熱、リンパの腫れといった症状も出ます。
ヘルペスウイルスは、口内炎が治ってからも体内に潜伏し免疫力を下げるので、疲れを感じやすくなったり、口内炎が再発しやすくなります。
結構厄介なんですね。
かからないように気をつけたいです。
カンジダってなんだか知っていますか?
初めて聞きました。なんか植物っぽい名前ですけど。
カンジダ性口内炎は、口内でカンジダというカビが増えて、悪化すると舌のしびれや味覚異常を発症する口内炎です。
赤ちゃんにも発症する危険性があるので注意ですね。
これも、一般的な口内炎のイメージと違って、かなり症状が重たい感じがします。
カビが口内で繁殖するというのも、嫌ですね。
なかなかおぞましいですよね。
最後は「カタル性口内炎」でしたっけ?
これはどういうものなんですか?
口内が炎症し、赤く腫れて熱を持つ口内炎です。
炎症の他にも、斑点、水泡、ひび割れなどが現れる場合もあります。
もう聞くだけでも恐ろしいですね。
炎症が強い場合は、表面が白くなり、唾液が粘っこく変化し口臭が気になることも増えます。
腫れにより味覚が鈍るのも特徴のひとつです。
なるほど。
これからは自分の口内炎が4つのうちどれなのか、あたりがつけられそうです。
とはいえ、もし口内炎の症状が見られたら、歯科医院に相談して、適切な治療を受けましょうね。
長引く口内炎の場合は、口腔癌の可能性もあるので、あまり口内炎を甘く見ないほうがいいですよ。
口内炎くらいで歯科医院に行くのは恥ずかしいなと思っていたんですが、気にしなくていいんですね。
特にしばらくたっても治らなかったり、痛みが引かない場合は、気兼ねなく相談してください!
歯科医院では、どのように口内炎を治療するんでしょうか?
口内炎がひどい場合は保険適用内のレーザー治療で患部を焼く、薬を塗るなどの治療が可能です。レーザー治療をすると、痛みも軽減されますし、治りも早いんです。
自然治癒を待つのは少し辛かったので助かります。
口内炎があると食事もですが、歯磨きも辛くて。
わかります。でも、口内炎ができて痛みを感じても歯磨きは怠らないようにしましょうね。
歯磨きを怠ると細菌が繁殖してしまい余計に炎症がひどくなってしまいます。
マウスウォッシュを使うなら、しみるのでアルコール入りでないものとか、低刺激タイプがオススメですよ。
わかりました!
なるべく口内を清潔な状態に保つように心がけます。
ストレスや睡眠不足、ビタミンB不足によってできやすくなる口内炎ですが、たかが口内炎だと放っておくと、痛みが長引いたり、症状が悪化してしまうことがあるかもしれません。歯科医院にかかって、医師の判断を仰ぐことも重要です。
口内炎ができて痛くても、口内環境を清潔な状態で保つために、歯磨きを欠かさないことも忘れずに。生活習慣と歯磨きの両輪で、口内炎が治りやすいキレイな口内環境を育てていきましょう。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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