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虫歯になりにくい食べ物、なりやすい食べ物ってあるの?くま先生が教えるおすすめの食べ方

毎日歯をしっかりケアしている方でも、食べるものや食べ方まで気を使っているという方はほとんどいません。

知識を付けて、少し意識を変えるだけで、歯はどんどん健康になっていきます。

この記事では、歯のコンシェルジュくま先生と診察に来た患者さんの会話から、「虫歯になりにくい食べ物、なりやすい食べ物、おすすめの食べ方」について学んでいきましょう。

虫歯になりにくい食べ物

ご飯を食べるのは大好きなんですけど、何か食べるたびに歯を磨くのが面倒くさいんですよね。
食べても虫歯になりにくい物とかはないんですか?

残念ですが、「これを食べていれば虫歯にならない」というような夢のような食べ物はありません。

やっぱりそうですよね……。

でも、「歯の栄養になる食べ物」で歯を強くすることはできます。以下の成分表を食生活の参考にして見てください。

  • 歯の表面を修復する働きがある「フッ素」を含むもの
    ➡ 牛肉・りんご・ワカメ・お茶・味噌など
  • 歯の原料となる「カルシウム」を含むもの
    ➡乳製品・小魚・大豆・ひじき・小松菜など
  • 歯の石灰化を助ける「リン」を含むもの
    ➡チーズ・卵など
  • 歯の基礎となる「たんぱく質」を多く含むもの
    ➡牛乳・魚・卵・豆腐など
  • カルシウムの代謝を助ける「ビタミンD」を含むもの
    ➡牛乳・卵・チーズ・ひじきなど
  • エナメル質を強化する「ビタミンA」を含むもの
    ➡豚肉・レバー・かぼちゃ・人参・卵・ほうれん草など
  • 象牙質を作る「ビタミンC」を含むもの
    ➡みかん・レモン・ブロッコリー・ピーマンなど

なるほど。
「フッ素」や、「カルシウム」は歯にいいって聞いたことがあるんですが、「ビタミンD」や「ビタミンA」「ビタミンC」なんかも歯にいい栄養素なんですね。今日の献立はこの表を参考に考えてみます。

とはいえ、食事後の歯磨きを怠ると、それが虫歯の原因となり本末転倒ですから、くれぐれも歯磨きは忘れないようにしてくださいね。

リストに入っている牛乳ですが、「寝る前に牛乳を飲むといい」と聞いたことがあるのですが、そうなんでしょうか?

牛乳は確かに歯にいい影響を与えるカルシウムが含まれているんですが、その一方で、「乳糖」という糖も入っていますね。

そうなんですね!

それに、寝る前になにかを食べたり飲んだりしてそのまま寝て虫歯予防になることはないですね。
寝ている間は唾液がほとんど分泌されないため、口の中で虫歯菌が繁殖しやすい環境になるんです。

寝る前は必ず歯磨きをして、清潔にしておいたほうがいいということですね。

虫歯になりやすい食べ物

「虫歯になりやすい食べ物」もやっぱりあるんですか?

「砂糖を含むもの全般」ですね。虫歯の原因である「虫歯菌」は砂糖を主な栄養源としているんですよね。

甘くておいしいものは虫歯になりやすい食べ物なんですね。

そうですね。加えて、粘着質があるものは歯の表面に残りやすいので最も虫歯になりやすい食べ物といえます。

甘くて、粘着質なものっていうと、キャラメルとか、キャンディーとかですか?
ちょうど今日食べていました。

まさにそういうものです。

それなら、これからおやつはポテトチップスとか、甘くないものにしようかな。

実はポテトチップスも虫歯菌のエサになりやすいんです。

ええ!そうなんですか!

ポテトチップスのようなスナック菓子は何から作られていると思いますか?

ジャガイモとか、サツマイモとかですか?

そうですね。
ジャガイモやサツマイモは糖分を多く含んでいるので、甘い食べ物ではないのですが、虫歯になりやすい食べ物ということができます。

おやつはもう諦めるしかないかもしれないですね……。
果物も健康に良さそうですけど、甘いですもんね。

とくに柑橘系は歯を溶かす”酸”が含まれていたりします。やっぱり、虫歯になりやすい食べ物ということができます。
食べ物以外ですと、砂糖を多く含む炭酸飲料、スポーツ飲料、缶コーヒーなど食べ物以外でも砂糖を摂取することはありますよね。
ワインも酸性が強いので、歯を溶かす作用があります。

飲み物も気を付けないとダメなんですね。
よく考えると、ほとんど毎日砂糖を多く含んだ飲み物を飲んでいます。なんだか絶望的な気持ちになってきました……。

たくさん挙げてはみましたが、砂糖を完全に排除した食事をするというのは現実的ではありません。好きな物を食べたり、飲んだりするのもストレス発散にもなりますよね。
 
ですから、そこまでシビアに考える必要はなく危険性だけでも頭に入れておくだけで十分素晴らしいと思いますよ。

わかりました、このままだと虫歯になりやすいんだっていうことを認識して、歯磨きを欠かさないようにしたいです。

おっしゃる通りです。そのように虫歯予防の意識を高めることが一番大切です。

大切なのはどう食べるか

虫歯予防は「何を食べるか」も重要ですが、「どう食べるか」にも気を配って欲しいなと思います。

どう食べるか、ですか?

食事をすると、口の中が酸性に傾きます。
その状態が長く続いてしまうと虫歯になりやすくなるので、ダラダラと食事をするのは虫歯予防の観点からはNGです。

最近、ハマっているテレビドラマがあって、それをみながら食事をしていると、つい画面に集中しちゃって、食事に時間がかかってしまうことがあります。

そういった「ながら」食事はどうしても食事時間が長くなって、食べ物が口内に長く留まるので酸性の時間が長くなります。
また、意識が食事に集中しないので、満腹を感じにくくなり、食事の量も増えてしまえてしまいます。

「ながら食べ」をしないことは虫歯予防になるだけでなく、太りやすくなることも防げるんですね。

そうですね。「よく噛むこと」も大事です。
よく噛むことで、唾液が多く分泌さされて、満腹にもなりやすくなるので過食も防げます。ひと口30回を目安によく噛んで食事を楽しんでみてください。

わかりました!
今回も色々教えていただきありがとうございました。

まとめ

いかがだったでしょうか。糖は虫歯菌の栄養になること、さらにその糖は私たちの食生活に大きく関わっていることがわかったのではないでしょうか。

くま先生がおっしゃっていたように、虫歯予防のために砂糖を普段の食事から排除するという方向ではなく、危険性を知り、虫歯予防の意識を高めることが重要です。

自分の歯でいつまでも食事を楽しむためにも、虫歯予防の観点を持ち、歯磨きを欠かさないようにしたいですね。

監修

コンシェルクリニックグループ代表

日本抗加齢医学会 専門医


小谷 航(こたに わたる)

現在は全国10院で各種専門医が協力して顎顔面領域に特化した医療を展開しております。治療のコンセプトはアンチエイジング、究極の予防を標榜しております。
アンチエイジングの考え方のもと、皆様と一緒に長い人生を歩んでいければと考えております。よろしくお願いいたします。


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投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。