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歯が抜けたときの治療法は何があるの?部分入れ歯、ブリッジ、インプラントをくま先生が解説

先生!虫歯を放置しておくと抜かないといけなくなるって本当なんですか?

軽度な虫歯なら、治療で済みますが、重度な虫歯だと抜くこともあります。

虫歯にならないように、日々ケアすることは大切なんですね。
歯が抜けたときには、どんな治療を受けることになるんですか?

大きくわけて3つの治療法があります。
今回は「歯が抜けたときの治療法」にはどんなものがあるか、それぞれのメリット・デメリットも合わせて紹介していきますね。

よろしくお願いします!

歯が抜けたときの治療法

重度の虫歯で歯を抜かなければならなくなってしまっても、抜いた歯を埋める治療をすれば、これまでと同じように問題なく発音や食事ができます。

治療法により、治療期間(通院回数)、価格、お手入れ方法、装置の寿命などが異なるので、事前にポイントを理解し、歯医者さんに相談するとともに、自分に合った治療法を選ぶことはとても大切です。

どのような、治療があるのか、さっそくみて行きましょう。

部分入れ歯

部分入れ歯とは、なくなった歯を部分的に埋める治療法です。プラスチック製の歯茎に似た土台を、金属で隣同士の歯に引っかけて固定する処置方法です。自分のお口に合った部分入れ歯なら、咀嚼(そしゃく)や発音も問題なくできます。

部分入れ歯は、細菌が溜まりやすく虫歯になる可能性が高くなるため、毎日きちんと歯磨きし、部分入れ歯を洗浄することが必要になります。

部分入れ歯のメリット

部分入れ歯の一番のメリットは、健康な他の歯を削らないで済むところにあります。また、最小限の装置で済むため治療期間も比較的短いことも特徴です。

保険適用のものは一般的に、このあとに紹介する「ブリッジ」「インプラント」よりも安価で治療を受けることができます。価格は治療内容によって異なるので、必ずかかりつけの歯科医に確認と相談をしましょう。

また部分入れ歯には、保険適用外のものもあります。保険外の部分入れ歯ならば、金属は使用しません。この場合、審美性も高く違和感は減少します。

部分入れ歯のデメリット

部分入れ歯は、すき間などに食べかすなどが溜まりやすいため、虫歯になりやすくなります。そのため、毎日取り外してのケアが重要です。汚れなどは落ちにくく、市販の歯ブラシなどでは傷つけてしまうため、部分入れ歯洗浄アイテムの購入が必要です。

また、部分入れ歯には歯根がないため、欠損部分の歯肉や金具を掛けた歯で噛む力を負担します。そのため、自分の歯の噛む力を100パーセントとすると、30パーセント程度の強度しか出すことができず、「ブリッジ」「インプラント」より劣ることになります。

ブリッジ

ブリッジとは、名前の通りなくなった歯を中心に両隣の歯に人工歯の「橋」を被せる治療法です。両隣の歯を、周りから削って柱のような形にし、上から人工歯をはめ込みます。

削った両隣の歯でなくなった歯を支えているので、自分の歯の負担が大きく長期的に見るともろくなり再治療するケースが多くあります。保険適用内で行えるので、比較的安価ではありますが、歯の負担まで踏まえて、検討していただきたいです。

ブリッジのメリット

部分入れ歯のように、取り外してのケアが必要ありません。

保険適用のため、一般的に「インプラント」よりも安価ですが、使用する素材により、保険適用外のものもあります。保険外のものですと、セラミックブリッジというものもあり、インプラントよりも高額になることもあります。

自分の歯の噛む力を100パーセントとすると60パーセントの強度で噛むことができます。部分入れ歯より、安定性が高いですが、ブリッジを支える歯の状態によって変わるので、より低い場合もあります。

ブリッジのデメリット

健康な両隣の歯を削ることがブリッジの一番のデメリットになります。削った歯は、虫歯や歯周病になる可能性が高くなるのです。

自分の歯の負担が大きいため、歯の寿命が縮まります。負担がかかりすぎると、支えている歯自体が割れてしまうこともあるので注意が必要です。

また、ブリッジ(被せ物)は、一生ものではないので定期的なメンテナンスが必要になります。

インプラント

インプラントは、なくなった歯の部分の顎の骨に歯根の役割になるネジを埋め込み、先端に人工歯をつける治療法です。ネジが骨に定着するまで時間がかかるため、治療期間は他の治療法に比べて長期間になります

また、顎の骨がもろく弱い人はネジを埋め込むことができない場合があります。老化により骨がもろくなっていくので、インプラントは骨が丈夫なうちに行うことをおすすめします。

先端に取り付けた人工歯は、食事による咀嚼などで回転してしまい、緩むことで取れてしまうこともあります。その場合は、かかりつけの歯医者で締め直してもらいましょう。

インプラントのメリット

インプラントの1番のメリットは、周りの健康な歯へ影響を与えないことです。

歯が抜けたときの治療法としてブリッジや入れ歯を選択した場合は、周りの健康な歯に負担をかけてしまうことが避けられません。

インプラントでは、周りの歯を支えずに独立しているため健康な歯に負担をかけずに済むのです。

インプラントにすることによって、「自分の歯と同じ感覚でものを噛む」ことが可能になります。審美的にも優れているため、自分の歯のような見た目と安定性があります

自分の歯で噛む力が100パーセントとすると、インプラントは90パーセントほどです。

特別な手入れは要らず、取り外しが不要で自分の歯と同じように毎日の歯磨きでケアしていきます。

インプラントのデメリット

インプラントは保険適用外の治療となるため、部分入れ歯やブリッジなどの保険適用での歯科治療と比べると治療費がかなり高額になります。また、一生モノではないためメンテナンスが必要になりますので、治療後の定期的なメンテナンス分の治療費も把握しておく必要があります。

インプラント治療は、通常の歯科治療をする場合よりも治療期間が長くなります。これは、挿入したインプラントが骨と結合するまでに2ヵ月程度必要となるためです。

インプラントは、なくなってしまった歯の部分に、人工歯根を埋め込むため、土台となる顎の骨には十分な厚みや幅が必要となります。そのため、顎の骨の状態によっては、施術できない可能性もあるので、注意が必要です。

インプラントについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

まとめ

歯が抜けたときの治療方法を3つ紹介しました。どの治療にも、メリット・デメリットがあり一概にどの治療法がいいというものは存在しません。ライフスタイルや予算など、何を優先するかによっても最適な治療法は変わります。

ひとりひとりの事情を加味した上で、最適な治療法を提案するのも歯科医の仕事の1つです。信頼できる歯科医を見つけ、しっかりと相談して、後悔のない治療法を一緒に考えていくようにしましょう。


監修

日本抗加齢医学会 専門医

小谷 航(こたに わたる)

治療のコンセプトはアンチエイジングを標榜しており、顎顔面領域に特化した医療を展開しております。
アンチエイジングの考え方のもと、皆様と一緒に長い人生を歩んでいければと考えております。よろしくお願いいたします。


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投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。