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インプラントってどんな治療なの?くま先生が教えるインプラント治療の基本

「インプラント治療」を知っていますか?

歯が抜けたときの治療方法の1つですよね!
最近耳にする機会が増えた気がします。

インプラント治療は入れ歯、ブリッジに並び、歯が抜けたときの治療法として近年有名になってきました。
しかし、インプラント治療がどんなものか知らない人が多いんですよね。

この機会にインプラントについて詳しく知りたいです。

わかりました!
今回はインプラント治療に関する基本的な知識やメリット・デメリットなどを紹介していきますね。

よろしくお願いします。

動画もあるので、時間がない人はこちらを見てくださいね!

インプラントってなんだろう?

インプラントとは、「人工の材料や部品を体内に入れることの総称」を指します。インプラントと聞くと歯のイメージが強いかもしれませんが、心臓のペースメーカーや美容整形のシリコンもインプラントの1つということができます。

歯科でいわれているインプラントといえば、歯が無くなったアゴの骨に埋め込まれる人工歯根のことです。人工歯根はチタンなど人体に影響のない物質でできたネジのような見た目をしており、顎に差し込んだ後はその上から人工歯をつけます。

インプラント治療はどんな人が受けられるの?

インプラントでの治療は、虫歯や事故で歯を失った人、先天的に歯がない人が受けられます。歯の種類は問わず、1本の歯からすべての歯まで可能です。

ただし、まだ成長発育の可能性がある18歳以下の女性・20歳以下の男性や、心疾患などの症状の重い疾患を抱えている方、金属アレルギーがある方、ヘビースモーカーの方などは場合によっては、治療を受けられないケースがあります。

インプラント治療は、手術が必要なため、健康状態が心配な方や顎の骨が丈夫でない方は歯医者さんに相談するようにしましょう。

インプラントにはどんなメリットやデメリットがあるの?

それでは、歯を失ったときの治療の選択肢であるブリッジ、入れ歯と比較しながら、インプラントの代表的なメリット・デメリットを紹介していきます。

インプラントのメリット

①強い力で噛むことができる

しっかりと人工歯根が固定されているため、本来の自分の歯のような感覚で噛むことができます。ブリッジの最大咀嚼力が21-25kg、入れ歯は10-12kgなのに比べて、インプラントでは35-40kgもあります。

②交換が必要ないため、長期的には費用が安くなる

入れ歯では3~4年で交換が必要になり、ブリッジでも5~10年経過すると交換が必要になります。インプラントは半永久的に持続するため、長い目で見たときに経済的な治療となります。

③他の歯に与える影響が小さい

ブリッジによる治療は隣接している歯を削らなければならず、入れ歯は顎が退縮・変形してしまう恐れがあります。インプラントは比較的に他の歯への損傷がなく顎の骨を健康に保てるというメリットがあります。

④手入れの手間がかからない

定期的なメンテナンスは必要ですが、セルフケアは普段の歯磨きと同様で十分です。

更なるインプラントのメリットを知りたい方は、こちらをご覧ください。

インプラントのデメリット

①初期費用が高額になりやすい

自費診療のために治療の初期費用がブリッジや入れ歯に比べて高額になります。

先天的に歯や顎の骨がない場合、外傷によって歯を失った場合など、場合によっては、健康保険の適応がされることもあるため、インプラント治療をしようか悩んでいる方は歯医者さんに相談してみてください。

②治療期間が長くなる

ブリッジは1ヵ月未満、入れ歯は3ヵ月~半年以上ほどで治療が終わるのに比べ、インプラントは3ヵ月~半年以上治療期間がかかることがあります。

このようにインプラントだからこそのメリットとデメリットがあります。歯医者さんと相談して、自分に適した治療法を選べるようにしましょう。

インプラントの手術方法は?

メリットの多いインプラント治療ですが、どのような手術方法があるのでしょうか。

基本的なインプラントの手術方法は2つに分けることができます。1回法と2回法です。

1回法は、インプラントを埋める部位を切開して骨を露出させ、ドリルで穴を開けてからインプラントを埋め込むという手法です。

2回法は、2回の手術が必要になります。

1回法と同じようにインプラントを埋め込んだ後、一度切開した歯茎を縫い合わせ、1回目の手術は終了します。数ヶ月後にインプラントが顎の骨としっかりと結合してから、2回目の手術を行います。インプラントの上で塞がった歯茎を再び切開し、人工歯を取り付けます。

骨の量が十分であり、硬い場合には1回法でも問題はありませんが、骨の量が少ない人や骨が柔らかい人は2回法での手術が行われます。

耳鼻科との連携が必要になることも

上顎の奥歯あたりは日本人の骨格の特性上、すぐ近くに上顎洞という副鼻腔の空洞があります。歯を支えていた骨の厚みは、薄く骨量も少なく、インプラントを入れる骨の高さが不足していることがよくあります。

そこで、インプラントを入れることができるように、上顎洞内に骨を移植して骨を厚くします。これをサイナスリフト(上顎洞底挙上術)と言います。

このサイナスリフトは、副鼻腔の手術のため、耳鼻科との連携が必須です。インプラントのトラブルの4割近くが、この上顎洞に関連するものなので、インプラントしたいというときは、耳鼻科とよく連携が取れている歯科医院かつ、難易度が高いので実績の多い歯科医院を選ぶと良いでしょう。

インプラント手術はどんな流れなの?

インプラントのデメリットとして、やはり手術への不安があると思います。この項目では、インプラント手術の流れを見ていきましょう。

治療を始める前の準備

①カウンセリング

インプラントは外科手術に分類されます。思い立ったその日に行ってすぐ治療できるものではありません。まずはクリニックで丁寧なカウンセリングを受け、自分の歯や口の中がどのような状態かということを確認します。

このとき、インプラントがどのような治療で、手術を自分が受けられるかの説明を受けます。不安があるのであれば、このときにしっかり相談しておくことが大切です。

②CT検査

インプラント治療は顎にインプラントを埋め込むため、顎の骨の状態を詳細に把握しておく必要があります。CT検査は三次元での診断を可能にするため必須です。

CT検査について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

③血液検査、心電図検査などの臨床検査

インプラント治療を受けられる方は40代から60代の方が多く、持病がないかなどを確認します。

④歯周病の検査

インプラントは自分の歯で起きる歯周病と同じ症状が出やすいと言われています。その原因は口内にいる歯周病菌であるため、インプラントを入れる前に歯周病の状態を知っておく必要があります。

⑤治療計画を立てる

術前検査の結果をもとに、どのようにして治療を進めて行くのかを医師と相談します。具体的な治療や日程や費用の話はこの段階でします。被せものは値段が別というクリニックも多いです。総額はよく確認するようにしてください。

手術当日の流れ

⑥麻酔

インプラント治療の手術は麻酔を使用します。局所麻酔を使うこともありますが、不安が残るか方や緊張して血圧が上がってしまう方は静脈内鎮静法という(セデーション)という麻酔方法で手術を受けることも可能です。

⑦1回法と2回法

前の項目で紹介したように、インプラントの手術方法は1回法と2回法の2つがあります。どちらの方法をとるかは顎の骨の状態によります。2回法を取る場合、2回目の手術が1年ほど先になることもあります。

だいたいインプラントを1つ埋めるのに5分から15分ほどかかりますが、調整を含めるとだいたい1本1時間ほどで手術は終わります。

手術が終わったあとは

⑧定期的なメンテナンス

インプラント手術が終わった後は、クリニックでの定期的なメンテナンスと歯周病予防が必要になります。これを怠ると、歯周病になりやすく歯茎の状態が悪くなってしまうことも考えられます。

最初は月に一回の間隔で通院し、状態がよければ、次第に半年に一回、一年に一回と間隔を広くして行くことになりますので、普段のセルフケアは怠らないようにしてください。

インプラントのアフターケアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

インプラント治療が何のために行われ、どのように治療が進んで行くのかお分かりいただけたでしょうか。

インプラント治療は手術が伴う治療のために、トラブルや不安が多い印象を持たれているかもしれません。しかし、一度自分が失ってしまった歯をほとんど元のように取り戻せる、唯一無二の治療法でもあるため、歯を失ってしまった際には一度治療を検討してみることをお勧めします。

最新機器が充実していたり、納得行くまで徹底したカウンセリングをするクリニックも増えています。ぜひご自身にあうクリニックや希望に合う治療を探してみてください。


監修

市ヶ谷コンシェル歯科クリニック

澤谷祐大(さわたに ゆうた)

獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。


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投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。