最近、「国民皆歯科検診」が導入されるとか言われてますよね。
そうしなければならないほど、人々の歯や口内の健康が危険にさらされているということなんですよ。
そうなんですか?私は毎日歯をしっかり
磨いていますし、歯に不安を感じたことはないんですが…。
気がついたときには手遅れであることが多いのが口内のトラブルです。
さあ、一緒に口内トラブルについて学んでいきましょう!
歯周病とは、歯周ポケットと呼ばれる、歯と歯ぐきの隙間にある溝に細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こす病気です。直接的な原因はプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌のかたまりで、その中に歯周病菌などが潜んでいます。
歯周病は進行が遅いため、初期には気づきにくい恐ろしい病気です。
いったいどのように進行していくのでしょうか?
①歯と歯ぐきの隙間にプラークが付着し、歯肉に炎症が起こる。
歯磨きで出血することもある。
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②プラークに潜む歯周病菌の影響で歯周ポケットができる。
歯ぐきが腫れたり、膿が出てきたりする。
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③炎症がひどくなり、歯周ポケットも深くなる。
歯を支える骨(歯槽骨)が破壊され、歯がグラグラするようになる。
思い当たる症状があった方は、すぐに歯科検診を受けましょう。
歯周病は口内で片がつく病気ではありません。歯周病菌が出す炎症を起こす毒素は、血液を介して全身に広がり、身体のさまざまな部分に悪影響をもたらします。狭心症、心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞、肺炎、認知症、骨粗しょう症、糖尿病…。歯周病はまさしく「万病の元」なのです。
歯周病と糖尿病の関わりについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
虫歯は、口内に潜む虫歯菌が食べ物の中の糖分を取り込み、プラークをつくることから始まります。その後、虫歯菌はプラークの中で増殖しながら高濃度の酸をつくり続け、この酸が歯の表面のカルシウムを溶かすことで虫歯になるのです。
大人の虫歯は特に進行が遅く、気がついたときには歯が抜け落ちていたということも少なくありません。
虫歯になりやすい人となりにくい人がいますが、その違いの大部分は生活習慣の違いから生まれています。
虫歯になりやすい人の特徴には次のようなものがあります。
歯の磨き方について、虫歯を防ぐために特に意識して磨いてほしい部分は歯と歯の間、歯と歯ぐきの隙間です。そのような部分は虫歯の温床になりやすいので、フロスや電動歯ブラシも使って効率的な歯磨きをしましょう。
正しい歯の磨き方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ドライマウスは、その名の通り口の中が乾燥状態になることです。唾液の分泌量が少なくなることで起こり、その主な原因はストレスや加齢、口呼吸、薬の副作用などです。
唾液の分泌量の減少は、さまざまな弊害を引き起こします。消化が悪くなる、味覚障害になる、そして、歯周病菌が増殖しやすくなる。歯周病菌の毒素は悪臭を発生させるので、口臭の原因にもなります。
ドライマウスは、単に口が乾くだけでなく、多くの弊害をもたらします。自分がドライマウスかどうか、簡単なセルフチェックをしてみましょう。
いくつチェックがつきましたか?チェック項目が多いほど、ドライマウスの可能性が高くなります。
フレイルは、元気な状態と介護が必要な状態の中間を表す言葉です。すなわち、「オーラルフレイル」は口内が介護を必要とする状態になりかけているということなのです。
オーラルフレイルは、具体的には噛んだり飲み込んだりする口腔機能の衰えのことを指し、早期の重要な老化サインと考えられています。
オーラルフレイルに陥るサインは、ずばり、固いものが食べにくくなること。「固いものが食べられない→柔らかいものを食べる→噛む機能の低下」という悪循環に陥ると、口腔機能はどんどん低下していきます。口腔機能の低下は、ひいては心身機能の低下を招き、食事の楽しみも感じられなくなっていくかもしれません。
歯周病、虫歯、ドライマウス、口臭、オーラルフレイル。この口内の5大トラブルを理解していただけたでしょうか?全てにおいて言えるのは、気づいたときにはかなりトラブルが進行しているということです。口の健康は身体と心の健康と不可分であることを心に留め、いつも自分の口の状態に意識を向けましょう。口内のトラブルが起きてしまったときには早期発見・早期治療が重要です。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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