あ、ここの奥歯、虫歯になってますね
これ以上進行しないように、しっかりと歯磨きをしてくださいね
え、虫歯なのに削らないんですか?
はい、これは「初期う蝕」と言ってまだ歯に穴が開いていないので、削る必要はありませんよ!
そうなんですね!削らなくても良い虫歯があるなんて初めて知りました!
ぜひ、もっと詳しく教えてください!
もちろんです!丁寧にご説明します!
むし歯であれば全て削って治療しないといけないと思われていませんか?
むし歯はその原因菌が出す酸によって歯が溶かされて穴が開いてしまう病気です。穴が開く前の一歩手前の状態が初期むし歯です。痛みなどの自覚症状はなく、見た目の変化もほとんどないので進行するまで気付きにくいのが特徴です。
しかし、乾燥させると肉眼では白く見えることが多く、ホワイトスポットと呼ばれることもあります。初期むし歯の段階では、まだ歯科医院に行って削る治療をしなくて大丈夫です。
フッ素には歯の再石灰化を促す働きがあるため、唾液とフッ素の力によって自然治癒させることができます。
キシリトールにはむし歯菌の成長・増殖を抑制する働きがあります。その働きによって、むし歯の原因となる酸を作りにくくします。加えて、キシリトールガムを噛めば唾液が多く分泌されるので、むし歯になりにくい口内環境を保つことができます。
また、リカルデントには脱灰を抑制し、再石灰化を促す働きがあります。
脱灰の原因となる菌は歯垢の中に多く含まれています。そのため、ご自宅でのホームケアと定期的な歯科医院でのクリーニングによって歯垢を除去することが大切です。
ホームケア:食後は歯磨きを行って、歯垢を除去します。歯と歯の間の歯垢は歯ブラシだけでは除去することが難しいので、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助用具を併用することがおすすめです。
クリーニング:数ヶ月に一度のペースで定期的に歯科医院を受診しましょう。毎日の歯ブラシだけでは歯垢を完全に除去することは難しいので、歯科医院でクリーニングを受けることをおすすめします。
歯の表面で一部分だけまわりよりも白くなっている箇所はありませんか?点状や帯状、様々な種類がありますが、それらは全て脱灰しているところです。
この脱灰が繰り返されるとやがてむし歯になります。
脱灰とは、「歯の表面からミネラル分が溶けだしている状態」です。むし歯の原因菌である細菌が歯に付着して歯垢(プラーク)を作り、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作り出します。その酸がエナメル質の内部から歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし始めてしまうのです。
脱灰は「再石灰化」によって治すことができます。再石灰化とは、唾液にはカルシウムやリンが多く含まれており、脱灰によって溶けだした成分を唾液が修復する現象をいいます。この再石灰化の働きによって、初期のむし歯であれば自然治癒し、元の健康な歯に戻すことができるのです。
また、奥歯の噛む溝の部分に黒い点ができることがあります。削るべきむし歯と思われがちですが、黒い点は主に初期むし歯が硬化したものであり、一度は脱灰によってむし歯になったものの、再石灰化されて初期のむし歯が硬くなっている状態です。
こちらも削って治療する必要はなく、自然治癒によってなくなることもあります。しかし、黒い点は歯の中でむし歯が進行していることもあるので、もし黒い点を見つけたら自分で判断せず一度歯科医院に行って診てもらいましょう。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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