今回は、インプラントを長持ちさせる方法をくま先生が解説します。
インプラントを入れたけどどのようにケアをすればよいかお悩みの方も必見です。
インプラント周囲の粘膜のみに炎症が起こる病気です。インプラントの周りにプラークが溜まると引き起こされ、症状としては歯茎の腫れや出血があります。
インプラントの周囲組織で炎症が起こる病気です。インプラント周囲の粘膜から歯槽骨(しそうこつ)にまで炎症が広がった状態で、細菌性のプラークが主な原因となります。
症状としては、歯茎から出血したり膿が出てきたりするなどがあります。さらに進行してしまうと、歯茎が下がってインプラント体が見えてしまったり、インプラント自体がぐらついてしまいます。最悪抜け落ちてしまうこともあるので注意が必要です。
これらの炎症が起きているかどうかを見分けるポイントは、出血の有無です。出血がある=炎症が起きているということなので、気付いたら早めにかかりつけの歯医者さんに相談しましょう。
一番最初に覚えておいていただきたいことは、インプラントのメンテナンスだからといって特別なことは何一つありません。
ご自身の歯と同じ様に、毎日食事後に歯を磨いて、可能であればフロスも使用していただく、日々の積み重ねで問題ありません。
プラークの中の歯周病菌が歯周病(インプラント周囲炎)の原因となります。歯と歯の間や奥歯、歯と歯茎の境目は特にプラークが溜まりやすく磨き残しが多く見られる部分です。
歯ブラシだけではそれらの部分を完璧に磨くことは難しいため、歯間ブラシやフロスなどの補助用具を使ってすみずみまできれいに磨くことが大切です。また、最後に仕上げとして殺菌力の高い洗口液を使用することで菌の繁殖を抑えることができます。
インプラントには、ジルコニア製などもありますが基本的にはチタン製です。チタン製のインプラントを使用している場合、フッ素が配合されている歯磨剤を使用すると腐食してしまう可能性があります。
腐食してしまうとチタンの表面がザラザラになり、そこにプラークが付着しやすくなることでインプラント周囲炎の原因となってしまうことがあります。
基本的に日常使用のフッ素配合の歯磨剤では問題ありません。実験室レベルの話にはなりますが、覚えていてもいいかもしれません。
毎日の歯磨きや補助用具を使用したケアを行っていても、インプラント周辺には、わずかな汚れや磨き残しがあることもあります。それらが蓄積していくと歯周病の原因となってしまうため、予防のためにも定期的な歯科医院でのメンテナンスが大切です。
クリーニングだけではなく、骨の状態を確認するためにレントゲンを撮影したり、ネジ固定タイプのインプラントであればネジが緩んでいないかの確認を行います。
また、インプラントに過度な力がかかっていないかを調べるために噛み合わせの確認を行うこともあります。良好な口内環境を保つために3~6ヶ月を目安に受診することをおすすめします。また、年単位ではレントゲンで状態を確認することも大切です。
歯周病菌などの細菌の感染によってインプラント周囲炎といった病気を引き起こします。それらは先述の通り、悪化してしまうとインプラントを支えている骨がなくなってしまいます。プラークを除去し、清潔な口内環境を保つことが大切です。
歯ぎしりや食いしばりを日常的に行ってしまうと、インプラントに大きな力の負担がかかってしまい最悪脱落してしまうことがあります。また歯ぎしりや食いしばりによって上部構造がすり減ってしまうと、噛み合わせにも影響が出てしまい、インプラントに過度な負担がかかってしまう恐れもあります。このような場合は緩衝材の役割を果たすマウスピースを使用することを、リスクの軽減のためおすすめしています。
タバコに含まれているニコチンによって毛細血管が収縮し、血行が悪くなります。それによってインプラントと骨が結合しにくくなったり、結合してもすぐに感染が起きたりして脱落の原因へと繋がります。
ニコチンには唾液の分泌を低下させる作用があり、それにより口腔内の細菌が繁殖しやすくなります。またタバコを吸うことでヤニが付着し、それらは粘着性が高く細菌を吸着するのでインプラント周囲炎を引き起こすリスクを高めてしまいます。
どうでしたでしょうか?
高額なインプラント。一度入れたら長期的に使用したいですよね。メンテナンスの参考にしてみてくださいね。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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