くま先生
どうされましたか?
うちの親が糖尿病だと診断されたのですが、糖尿病って具体的にどんな症状なんですか?
糖尿病は主にインスリンというホルモンに異常が起こることで発生する病気です。
そうしましたら今回は「インスリン」について詳しく解説していきますね!
よろしくお願いします!
インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌されるペプチド ホルモンです。
膵臓には、消化を助け、ホルモンのインスリンを生成する2つの重要な役割があります。膵臓は、外分泌腺と内分泌腺の両方として機能します。
膵臓の外分泌機能は消化を助ける働きをし、膵臓の内分泌機能はインスリンと血糖の調節を助ける”グルカゴン”と呼ばれる別のホルモンを生成します。
グルカゴンを産生する膵臓細胞は、α細胞(アルファ細胞)と呼ばれます。
インスリンは、ランゲルハンス島と呼ばれる場所に集まっている膵臓の特殊なβ細胞(ベータ細胞)によって産生されます。
健康な成人の膵臓には約 100 万個の膵島があり、臓器全体の約 5% を占めています。
インスリンは、血糖値が高くなりすぎたり (高血糖)、低くなりすぎたり (低血糖) するのを防ぎ、体内の血糖値をコントロールする働きをします。
また、食事から糖を取り込み、脂肪、炭水化物、およびタンパク質を分解して、肝臓、筋肉、脂肪の細胞にブトウ糖つまりエネルギーとして貯蔵することができます。
体内で適切な量のインスリンが産生できないと、低血糖、高血糖などの症状を引き起こす原因となります。治療せずに放置することで、やがて生命に危険を及ぼす場合があります。
体に十分なエネルギーがある場合、インスリンは肝臓にブドウ糖を吸収し、余分なブドウ糖をグリコーゲンに変換し、貯蔵します。
インスリンは細胞の表面にあるインスリン受容体と結合し、細胞を開いてグルコースを受け取る鍵のような役割として機能しています。インスリン受容体は、筋肉細胞や脂肪細胞など、体内のほぼすべての細胞表面に存在します。
インスリン受容体には、以下の主要な働きをします。
インスリンは血液中に分泌され、全身に運ばれます。
外側部分は細胞外に伸び、インスリンと結合します。
受容体の内部は、「グルコーストランスポーター4(GLUT4)」と呼ばれる特別なタンパク質が血液中のグルコースを取り込み細胞全体に運ぶよう、信号を伝達します。
血糖値とインスリン値が低下すると、受容体が空になり、グルコーストランスポーターが細胞に戻ります。
体が正常に機能している場合は血液中のブドウ糖の濃度に応じて、これらの細胞が活性化されてインスリンを産生します。
しかし、インスリンが体内で生産されない、またはインスリン値が非常に低い場合はこのプロセスが行われないため、血糖値が高くなります。
程度に差はありますが、ほとんどの食品を体内に取り入れることで血糖値は上昇します。
その中でも、炭水化物を摂取することで、急速かつ劇的に血糖値が上昇するといわれています。
低GI食品は摂取しても血糖値の変化が緩やかですので、高GI食品よりも低GI食品のほうが健康のためにもおすすめです。ダイエットやアンチエイジング効果もありますよ。
詳しくは、こちらの記事も併せてご参照ください。
インスリン抵抗性は、筋肉、脂肪、肝臓の細胞がインスリンを適切に使用できなくなることが原因で発生し、その結果、血糖値が高くなってしまうことを指します。
2型糖尿病患者様の多くはインスリン抵抗性だといわれています。これは、十分なインスリン受容体がないこと、シグナル伝達の異常またはグルコーストランスポーターが適切に機能していないことが主な原因として挙げられます。
糖尿病、低血糖症、高血糖症は、体内で生成されるインスリンの量と、血糖値を制御する機能が低下した場合によく発生する症状です。
糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病と主に3つのタイプに分けられます。
1 型糖尿病は遺伝的要因やウイルス感染などが原因で引き起こされます。主な治療法としてインスリンを補充することで症状をコントロールすることができます。
2型糖尿病は、遺伝的要因や環境的要因(食生活の乱れ、運動不足、ストレスなど)などが原因で引き起こされます。治療法としてインスリン補充を行う場合がありますが、バランスの取れた食事を心がけ、定期的に運動して健康的な体重を保ち、禁煙することで症状を改善できる場合があります。
また妊娠ホルモンによって一時的に引き起こされる「妊娠糖尿病」という症状があります。これは出産が終わると症状が消失するケースが多く、治療法としてインスリン補充、食事の変更、定期的な運動などが挙げられます。
今回は「インスリン」について詳しくご紹介してきました。
糖尿病はそれぞれ高血糖の原因が異なります。
高血糖を治療せずに放置することで、失明、腎臓病、血管や神経の損傷、心臓発作や脳卒中のリスクが高まる恐れがあります。
どのタイプにしろ治療を受けることはもちろん、十分な休息・睡眠をとり、ストレスを軽減するライフスタイルを送ることが理想です。
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