くま先生!
どうされました?
子供が仰向けではなく、うつ伏せの体勢で寝ているんです。
呼吸ができないような寝相で親としては心配なのですが、これって何か悪影響を及ぼしたりしますか?
お子さんの睡眠中の寝相は将来の歯並びにも影響を与えますので、できるかぎり仰向けで寝ていただくほうがいいですね。
そうしましたら今回は睡眠中の寝相が歯並びに影響を与える理由について解説してきますね!
よろしくお願いします!
歯並びには、遺伝的な要因だけではなく、乳幼児期の生活環境、幼少期からの生活習慣も将来の歯並びと関連しているといわれています。
個人差はもちろんありますが、寝返りをうつ際に片方の顔を枕に押し付ける習慣が長期間続くと、押し付けた側の歯や顎が圧迫されることになりますので、歯列の乱れや顎関節症のリスクが高まることがあります。
正しくない寝相で寝ることが習慣化されると、押し付けられた部位の筋肉や骨格が偏った負荷を受けることになりますので、顔の歪みにもつながります。
うつぶせ寝(顔を枕に埋めた寝方)は睡眠中の姿勢の中で最も首や背中に負荷がかかる体勢だといわれており、長期間にわたってこの寝相で寝ることは成長期の子供にとってよくありません。
うつぶせ寝の姿勢だと鼻呼吸がしづらいため、口が開いていることが多くなります。口呼吸が習慣化されてしまうと、出っ歯や歯並びの乱れなどの原因になる場合があります。
また、睡眠中に口呼吸をしていると唾液の分泌が減少します。その結果、口内の細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病などのリスクが高まるのです。
歯並びの為だけでなく虫歯予防のためにも、口呼吸ではなく鼻呼吸を行うことが好ましいです。
口呼吸が習慣化してしまっている場合には、鼻呼吸トレーニングを行い、徐々に鼻呼吸で呼吸ができるようにしていきましょう。
1. ゆっくり深呼吸をする | まずは、ゆっくりと深呼吸をして、リラックスした状態しましょう。 |
2. 鼻から息を吸い込む | 鼻からゆっくりと息を吸い込みます。吸い込むときには、お腹を膨らませるように呼吸すると、より効果的です。 |
3. 鼻から息を吐き出す | 鼻からゆっくりと息を吐き出します。お腹をしぼらせるように吐き出すと、より効果的です。 |
このとき、口呼吸にならないように注意しておこないましょう。
慣れないうちは、鼻から息を吸い込むときに、口が開いてしまうことがありますが、意識して口を閉じたまま鼻から息を吸い込むようにしましょう。
繰り返し練習することで自然と鼻呼吸に慣れていきますので、鼻呼吸トレーニングを毎日頑張ってみましょう。
そもそもなぜうつぶせ寝をしてしまうのでしょうか。
うつぶせ寝で寝る理由は様々ですが、その中の一つとしてストレスが挙げられます。
ストレスや疲れからくる緊張を解消するため、無意識のうちにうつぶせ寝をしてしまうことがあります。
そのため、寝る前にはストレッチを一緒にしたり、読み聞かせをしてあげるなどして、身体の緊張をほぐしてあげましょう。寝る前に良い習慣を身につけることで、正しい姿勢で眠れるようになっていくでしょう。
仰向けで寝ることがベストではありますが、すぐに習慣化するのは難しいですよね。
そこで、寝返りをうった際に、顎や歯への圧迫を避けるために適切な枕を選ぶ必要があります。
いま、お子さんが使用している枕はきちんとお子さんの体にあっていますか?
枕の高さが適切であれば、横向き寝でも顎が枕に押し付けられることがなくなり、顎関節や歯並びにかかる負荷が軽減されます。
うつぶせで寝るお子様には、耳と肩の高さがほぼ水平になるような高さの枕を使用することをおすすめします。枕が高すぎると、首に負担がかかってしまい、低すぎると首が曲がってしまいます。
適切な枕の高さは、子供の身長や体格に応じて異なりますので、子供の成長に合わせて枕を選ぶことが重要です。
また、子供が枕に頭を乗せた際に、頭や首が沈み込みすぎないように、適度な硬さの枕を選ぶことが大切です。
羽毛 | 羽毛は、柔らかく軽い素材で、保温性にも優れているため、冬場でも暖かく過ごすことができます。 ただし、アレルギーをお持ちのお子さんには適していない場合があります。 |
ダウン | ダウンは、羽毛よりも保温性が高く、ふんわりとした感触があります。 また、軽量で柔らかいため、子供が寝返りをうちやすく、お子さんの体にフィットしやすいといったメリットがあります。 ダウンもまた羽毛と同様に、アレルギーをお持ちのお子さんには適していない場合があります。 |
綿 | 綿は、柔らかく通気性が良いため、夏場でも快適に過ごすことができます。また、アレルギーの心配が少なく、丈夫で長持ちするといったメリットがあります。 |
ウルタンフォーム | ウレタンフォームは、体圧分散性が高く、お子さんの首や頭をしっかりと支えることができます。また、通気性が良いため、夏場でも蒸れにくく快適に過ごすことができます。 |
今回は、子供の睡眠中の寝相が歯並びに影響を与える理由についてご紹介していきました。
睡眠時の寝相が歯並びに与える影響については個人差もありますが、なるべく仰向けで寝るよう心がけましょう。もちろん、寝相だけでなく日々の歯磨きや食生活も重要です。
子供の歯並びのことでなにか不安がある場合は、ぜひお気軽に当院にお越しください。
監修
歯科医師
佐藤 良樹 (さとう よしき)
京都府立医科大学病院歯科口腔外科にて研鑽を積み、2021年よりコンシェル東村山院にて勤務。
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