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歯が生える薬って?

「歯が生える薬」は、歯を再生するための革新的な治療法として注目されています。この薬は、特定のタンパク質の働きを抑制することで、歯の成長を促進することを目指しています。特に生まれつき永久歯が欠けている「先天性無歯症」の治療を目的としており、将来的には虫歯や外傷で失った歯の再生も視野に入れています。現在、京都大学発のスタートアップ企業「トレジェムバイオファーマ」が中心となって研究開発を進めており、2024年から治験を開始し、2030年頃の実用化を目指しています。

実用化について

「歯が生える薬」の実用化に向けた研究は、すでに動物実験で成功を収めています。研究グループは、歯の成長を抑制するタンパク質を特定し、その働きを阻害する抗体を開発しました。この抗体を用いた治療により、マウスや犬で新たな歯を生やすことに成功しています。2024年からは、健康な成人男性を対象にした治験が始まり、その後、2歳から7歳の先天性無歯症の患者を対象にした治験も予定されています。実用化に向けた課題は多いものの、2030年までに市場に投入される可能性があります。

課題点について

「歯が生える薬」の開発にはいくつかの課題があります。まず、治験を通じて安全性と有効性を確認する必要があります。特に、長期間にわたる副作用の有無を慎重に検証することが求められます。また、治療費が150万円程度と高額になる見込みであり、保険適用がどの範囲で可能になるかも重要な課題です。さらに、治療の対象が先天性無歯症に限定されている現状を考えると、より広範な歯の欠損に対応できるようにするための研究が必要です。

くま先生のまとめ

「歯が生える薬」は、歯の再生医療における新たな選択肢として期待されていますが、実用化にはまだ時間がかかります。そのため、現時点ではインプラントをおすすめします。インプラントは、周りの健康な歯を削ったり痛めたりすることなく、自然な咀嚼感を提供するため、多くの患者にとって有効な治療法です。ただし、インプラントにも手術が必要であることや、保険適用外であるため費用が高額になるといったデメリットがあります。そのため、患者の状況に応じた治療法の選択が重要です。

監修

市ヶ谷コンシェル歯科クリニック

澤谷祐大(さわたに ゆうた)

獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。


市ヶ谷コンシェル歯科クリニック

投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。