歯科医院で歯を抜いた後、どう過ごせばよいか気になりますよね。
今回は、抜歯後に注意してほしい事をくま先生が教えていきます。
歯を抜いた後は、止血をするために20分程度ガーゼを噛んでいただきます。
ガーゼを噛むことで圧迫止血になるので、殆どの出血は止める事が出来ます。
ガーゼを外してもまだ出血している場合は、清潔な新しいガーゼやティッシュを強く噛んでさらに数分様子をみてください。
唾液に血が滲む程度であれば問題はありませんが、ドクドクと血が出続けて止まらないことがあればすぐにかかりつけの歯科医に相談をしましょう。
その場合は縫合をしたり、止血用の機器を製作したりする場合もあります。
抜歯の際には麻酔の効果で感覚が一時的に鈍くなります。
個人差は大きいですが、他の診療でも使用することのある一般的な局所麻酔では、術後1~2時間程度は麻酔が効いた状態が続きます。
麻酔の効果が切れるまではお食事を摂らないでいただくか、食事を摂る際は火傷したり唇や舌を噛んだりしても気がつかないことがあるため、十分に注意しましょう。
激しい運動、長時間の入浴、飲酒などは血行を促進させます。
それによって痛みが強くなったり、出血したりすることがあります。
抜歯をした当日は出来る限り安静にし、入浴は軽めのシャワーで済ませるようにするなど身体が温まり過ぎないようにしましょう。
抜歯後は感染予防の「抗生物質」と「痛み止め」の2種類の薬を処方します。
痛み止めは痛みがなければ服用する必要はありませんが、麻酔が切れれば痛くて当たり前です。麻酔の切れる前に痛みどめを一錠飲んでいただくといいです。抗生物質は抜歯した傷から感染して化膿することを防ぐ為のものです。処方された分量は毎日決められた時間に服用して、自己判断で中断せずにしっかり飲みきりましょう。
タバコに含まれているニコチンという成分には、血管を収縮させる働きがあります。
そのため抜歯後の傷が治っていない状態で喫煙をすると血流が滞ってしまうので、傷の治りが悪くなったり、ドライソケットを起こしたりするので、傷を治すためにも必ず守っていただきたい項目です。
歯磨きの際は1週間程度抜歯した傷に歯ブラシが当たらないように気をつけて下さい。
固まってきた血液や、カサブタが剥がれてしまうと傷の治りが遅くなります。
傷口に食べかすなどが入ることが気になると思いますが、傷が治るとともに自然に排出されるので、あまり心配せず無闇に掻き出そうとしないようにしましょう。
抜歯した箇所以外の歯は普段通り磨いてお口の中を清潔に保つようにして下さい。
抜歯後はクリニックにて、うがい薬をお出しすることが多いです。
抜いたあとは血の味がしたり、食べかすが挟まったりして気になることがあるかと思います。
しかし必要以上に強いうがいをしてしまうと、止血を妨げたり、カサブタが剥がれたりして治りが悪くなるので、控えめにしましょう。
刺激は傷に影響を与えるので、舌や指であっても触り過ぎないようにしてください。
翌日までは、唾液に血が混ざっている事があります。
しかしこの程度であれば異常ではありませんので安心してお過ごしください。
最後に……
転んで怪我をした時に出血し腫れて痛むことと同じように、抜歯後も出血し腫れて痛みが出ることがあります。(特に下顎に埋まっている親しらずを抜いたとき)
しかし、いつまでたっても「腫れや痛みが引かない」「出血がずっと止まらない」など心配事や異常を感じることがあれば、お早めにかかりつけの歯科医まで相談をしましょう。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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