~3Dスキャニングとミリング加工で実現する次世代の入れ歯~
入れ歯と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「見た目が気になる」「話しにくい」「外れやすい」「痛い」――そんなネガティブな印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いま入れ歯は確実に進化してきています。
なかでも近年注目されているのが、進化したノンクラスプデンチャーと呼ばれる、金属のバネを使わない審美義歯です。ノンクラスプデンチャーという自費義歯は以前からありましたが、さらに、従来の手作業による製作法に代わって、3Dスキャニング+ミリング加工というデジタル技術を導入することで、見た目の美しさ・装着感・耐久性すべてを高い次元で両立する義歯が実現しています。
ノンクラスプ義歯とは、保険診療で一般的に使用されている金属のバネ(クラスプ)を使用せずに装着できる部分入れ歯のことです。
金属の代わりに、歯ぐきに近い色調の柔らかい樹脂を用いて維持力を得るため、口を開けてもほとんど目立たず、自然な笑顔や会話を楽しめるのが大きな特徴です。
また、柔軟性があるため装着時の痛みや異物感も少なく、初めての方にも適応しやすい入れ歯になります。
保険で作る入れ歯と比べると、ノンクラスプ義歯には次のような違いがあります。
項目 | 保険の入れ歯 | ノンクラスプ義歯 |
バネの素材 | 金属 | 目立たない樹脂製 |
見た目 | 笑うと金属が見える | 見た目が自然 |
適合性 | 印象材の変形や収縮の影響を受けやすい | 3Dスキャン・ミリングにより精密 |
装着感 | 厚くて違和感が出やすい | 軽くて薄く、異物感が少ない |
耐久性 | 割れやすく変形も起きやすい | 弾力性と強度があり長持ち |
審美的な美しさだけでなく、機能性・快適性の面でも大きなメリットがあるのが、ノンクラスプ義歯です。
ノンクラスプ義歯の完成度を大きく左右するのが、製作方法の違いです。
従来の義歯製作では、レジン(樹脂)を型に流し込んで硬化させるため、重合収縮(固まるときの体積減少)が避けられませんでした。
この収縮によって、わずかな変形やズレが生じ、結果としてフィット感や咬合の不具合が発生することが多々ありました。
それに対し、現在私たちのクリニックで採用しているのが、ミリング加工によるノンクラスプ義歯の製作です。
・ミリングとは?
3Dスキャナーで取得した患者様の口腔内データをもとに、CADソフトで義歯を設計し、高密度にプレポリマー化されたブロック樹脂をCAM(切削)によって削り出す加工法です。
・重合収縮がない
すでに硬化された素材を削り出すため、収縮が起こらず、歪みのない仕上がりが得られます。
・ 優れた適合精度
歯列や歯肉の微細な凹凸にもミクロン単位で適合し、吸着力のある「ぴったりとした装着感」を実現します。ズレや浮きが少なく、安定した咀嚼・発音が可能になります。
・高い耐久性と審美性
切削加工により一体で成形されるため、破損や経年劣化にも強く、色調も安定。
表面も滑らかで舌感が良く、清掃性にも優れています。
ノンクラスプ義歯は、以下のような流れで製作されます。
Q. ノンクラスプ義歯は壊れませんか?
→ 特殊な弾性樹脂を使用しており、通常の使用で割れることは少なめです。
ただし、誤って落としたり乾燥状態で過度な力が加わると、破損リスクがあるため注意が必要です。
Q. お手入れは面倒ですか?
→ 水洗い+入れ歯専用ブラシでの清掃が基本です。専用の洗浄剤を使うとさらに衛生的です。歯磨き粉は使用しないでください(細かい傷がつきやすくなります)。
Q. 保険との違いはありますか?
→ 審美性・フィット感・快適性・素材の自由度など、全体的に「ワンランク上」の設計が可能です。自由診療とはなってしまいますが、それに見合う品質をご実感いただけると思います。
歯がなくなると、入れ歯かブリッジかインプラントしかありません。インプラントは手術がいや、ブリッジはご自身の歯を削るのが嫌といった患者様に、今回のノンクラスプは最適です。入れ歯は、「歯がなくなったから仕方なく使うもの」ではなくなりました。
眼科でいうところのコンタクトレンズと同じかなと思います。見た目・機能・快適性のすべてを備えた、人生を支える医療機器です。
私たちは、患者様のライフスタイルや美意識に寄り添いながら、最善の選択肢を提供したいと考えています。
3Dスキャニングとミリングというデジタル技術を組み合わせることで、従来の入れ歯とはまったく違う、新しい次元の義歯が実現できています。
「快適で、見た目もきれいな入れ歯がほしい」
「人前で話すときに自信を持ちたい」
そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
いつでもお待ちしております。
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック