「カリソルブ」という薬を聞いたことありますか?スウェーデンが発祥で、虫歯を削らずに溶かすということで、とても注目を浴びていたことがある薬です。
カリソルブは麻酔なしで虫歯を溶かし、詰めるだけの魔法のような治療法として、テレビなどで紹介されたため、誤解を抱いている方が多くいらっしゃいます。よい薬ではありますが、万能なものではありません。本日はくま先生がカリソルブについて解説していきます。
くま先生も治療で使用していますが、適応症例であれば非常に有効です。
基本的には麻酔を使わずに、虫歯にカリソルブを塗布して、耳かきの先くらいの大きさの専用の道具で虫歯を取り除いていきます。表現としては、虫歯が溶けたような感じです。使用する薬剤は虫歯のみを溶かすため健康な歯を削ることなく、虫歯のみを取り除くことが可能です。そして虫歯を取り除いた後は、詰め物をするといった流れです。
ですので、カリソルブの適応は軽度の虫歯で、タービンと言われる歯科用のドリルを使いたくない方にお勧めかと思います。そもそも、虫歯が深い場合は歯の神経の治療が必要なケースが多く、そういった場合はカリソルブ自体適応ではありません。
治療時間は歯科用ドリルで削って治すよりも時間が掛かることが多いです。患者さんによっては治療時間の長さがストレスになることもあります。
虫歯で穴が開いた場合は、軽度ならば詰め物、重度ならば被せ物になります。詰め物であるならば、カリソルブが適応となります。
子どもの虫歯で、神経まで達してない軽度な場合は、麻酔が不要な場合が多く、子供には人気となります。あのキィーンという音は大人も嫌いですからね。
内科的な病気を持ち、麻酔が使えないケース
麻酔は血圧に影響を与えるので、心臓疾患等で麻酔が使えない患者さんでかつ、詰めて済むタイプの虫歯ではとても有効だと思います。
カリソルブ治療は保険が効きません。いわゆる自由診療です。一般的には1本あたり1万円程度が多いでしょうか。それに加えて、詰め物代が別途ということが多いと思います。カリソルブは2007年に厚生労働省で認められた治療ですが、どこの歯医者さんでも扱っているものではありません。カリソルブの治療を扱っている歯科医院でご相談してみることをお薦めします。参考にしていただけますと幸いです。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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