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くま先生が教える歯磨き以外の口内ケア方法

虫歯は、臭いや痛みの原因になるだけでなく、症状が悪化すると最悪の場合、死に至ることもあるといいます。

そうした事実を聞くと、一層虫歯予防に力を入れたいと思いませんか?虫歯予防の要は歯磨きですが、その他にできるケアはあるのでしょうか。

この記事では、歯のコンシェルジュくま先生と診察に来た患者さんの会話から、「歯磨き以外の虫歯予防」について学んでいきましょう。

デンタルフロスの有用性

最近、虫歯予防に関心があって。歯磨き以外にできることって何かありませんか?

そうですね、もちろん一番大事なのは磨き残しのない正しい歯磨きなのですが、例えば「デンタルフロス」なんかどうでしょう。

デンタルフロス!糸で歯の隙間を掃除するやつですよね。市販の歯ブラシで”極細”を謳っているものを使っているんですが、歯の隙間はどうしても限界があったんですよね。

デンタルフロスは、歯ブラシの毛先よりも細いので、簡単に歯間の汚れを落とすことができますよ。
ある調査では、歯ブラシによる歯垢の除去率は全体の6割程度で、加えてデンタルフロスを行うと2割高まり、歯垢の除去率は8割以上になるといわれています。

それは効果的ですね!
…でも、デンタルフロスを使い続けると、歯と歯の隙間は広くなってしまわないんですか?そうすると、逆に汚れも詰まりやすくなってしまいそうで。

確かに、大きな糸のようなものを歯間に入れて長い間放置すると、歯と歯の間に隙間ができるかもしれませんね。
とはいえ、デンタルフロスは非常に細く、お掃除程度に歯間に入れる分には隙間が広がることはありませんので安心してください。

そうなんですね!安心しました。

キシリトール入りガムって歯にいいの?

「キシリトール」入りのガムを上手に用いることで、口内を虫歯になりにくい環境にすることもできますよ。

そうなんですか?
でも、キシリトール入りのガムって甘いですよね。虫歯菌は砂糖を栄養に繁殖していくことを考えると、キシリトール入りのガムも虫歯菌のエサになってしまいそうですが……。

キシリトールも虫歯菌のエサになるんですが、虫歯菌はキシリトールを分解できず、栄養とすることができないんです。
分解しようと無駄にエネルギーを使わせることによって、虫歯菌が減っていくという仕組みです。

なるほど、キシリトールが歯にいいというイメージにはそういう理由があったんですね。

とはいえ、Aさんが心配されていたように、全てのキシリトール配合のガムに砂糖が含まれていないとは限らないので、商品を選ぶ際は注意してくださいね。

そこに糖が含まれていたら、それは虫歯菌の増える原因に繋がることもありますもんね。

その通りです。
あとは、ガムを噛むことで唾液が出ますよね。それも虫歯予防になると考えられます。

唾液が出ると、虫歯予防になるんですか?

そうですね。口の中は通常「中性」なんですが、食事をすると一気に「酸性」になってしまいます。
酸性状態が長く続くほど歯が溶けやすくなり、虫歯のリスクが高まってしまいます。

虫歯になるのも、虫歯菌が”酸”を出して、歯が溶けるからでしたよね。

そうです。唾液は「重炭酸塩」という成分が含まれており、これによって口内が酸性になっても中性に戻してくれるんです。

キシリトール入りのガムは、虫歯予防の観点からみると合理的なんですね。あとキシリトールに並んで、気になっていた言葉があって。「フッ素」ってどういうものなんですか?

フッ素ってどんなもの?

フッ素は、細菌で溶けかかった歯の表面に塗布することで歯の表面を修復する働きがあります。
ちなみにこの働きを、「再石灰化」と言います。

そんな便利なものがあるんですね。
多少の虫歯なら、フッ素を塗布してなんとかなったりするんですか?

初期段階の虫歯の場合、小さな穴が空いている程度の治療は、フッ素を塗布して再石灰化を促して元の状態に戻ることがありますよ。
さらに、フッ素には細菌が発生する酸の量を抑制する働きもあるんです。

なるほど。じゃあ、フッ素配合と書かれた歯磨き粉にはそのような観点からの虫歯予防が期待できるんですね。

そうですね。
ちなみにフッ素は、普段使われる歯磨き粉からだけでなく、歯科医院で塗布することもできますよ。

それはやはり市販の歯磨き粉に配合されているフッ素とは違うものなんですか?

市販されている歯磨き粉に配合されているフッ素の約10倍の高濃度のフッ素を歯科医院であれば、塗布することができます!
より効果を狙うのであれば、歯科医院でお願いするのがいいと思いますよ。

10倍ですか!今日もお願いしたいくらいです。

ちなみに、市販されている歯磨き粉のなかで個人的におすすめなのは「ライオン チェックアップスタンダード」です。
市販されているものの中ではフッ素が高濃度で配合されています。歯科医院でやるものに比べて、低濃度のフッ素でも毎日使用することで、歯を細菌から守ることが可能なので、ぜひ試してみてくださいね。

チェックしてみます。ありがとうございました!

まとめ

いかがだったでしょうか。虫歯予防の観点から、デンタルフロスやキシリトール、フッ素がどのような理由で歯に良いのか、よくわかったのではないでしょうか。

普段の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシ、口内洗浄液などプラスアルファの対策をして、美しい自分の歯を維持して行きたいですね。

監修

市ヶ谷コンシェル歯科クリニック

澤谷祐大(さわたに ゆうた)

獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。


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投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。