本日は、精密な歯科治療では不可欠となった画像診断であるCTについてくま先生が解説致します。
CTとはComputed Tomographyの略で、X線とコンピューターを用いて撮影を行い、輪切りになった断層画像を映す技術装置です。正式にはコンピューター断層撮影といいます。3次元の画像を構築していくと考えると分かりやすいかもしれませんね。
CTには、歯科用CTと医科用CTがあります。歯科用CTはインプラントの術前・術後における検査のほか、親知らずの抜歯(埋まっている親知らずが神経に触れていないか等の判断)や歯周病、難易度の高い根管治療、矯正歯科治療前の診断などにも活用されています。
歯科用CTとは歯科分野に特化したCT装置のことであり、方式がコンビームということから「コンビームCT」とも呼ばれています。
歯科用CTは、機種や撮影範囲などにより違いはあるものの、一般の医科用CTと比べ被曝量が極端に少なく0.04ミリシーベルト程度という微量さが特徴です。数値だけでは果たして多いのか、少ないのかがよくわからないかと思います。そこで私たちが普段、生活をしていて自然に被曝している放射線の量について説明していこうと思います。
地球上で生活している生物は、通常時でも放射線にさらされています。そして、普通に生活をしている中で誰もが受ける放射線を「自然放射線」といいます。
この自然放射線の量は住んでいる地域によって大きく異なり、私たちが暮らしている日本では、年間自然放射線量は平均で1.5ミリシーベルト程度となっているのに対して、比較的、自然放射線量が多い所では10.0ミリシーベルトのブラジルが有名です。
また良く言われる例えですが、東京とニューヨークの直行便を往復したとすると、0.19マイクロシーベルト被曝するとされています。
これらの対比によって、先ほどご紹介した歯科用CTによる0.04ミリシーベルトの被曝がいかに少ない数値であるかがご理解いただけたのではないでしょうか?また、撮影時間も20秒程度の短時間で済むことから患者様への負担を大幅に軽減することが可能となっています。
レントゲンは被曝してしまうから不要といったマイナスの認識ではなく、よりよい治療のためには必要なものだとお考えください。
とはいえ、必要ない状態でCT撮影はお勧めいたしません。また、通常のレントゲンで大丈夫な場合も多くありますので、画像診断の判断に関しては歯科医師にご相談いただければと思います。
参考にしていただけますと幸いです。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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