1. トップ
  2. 親知らず
  3. 再生医療の使用できる「歯の細胞バンク」って何?
再生医療の使用できる「歯の細胞バンク」って何?

最近、再生医療に関するニュースを見たんですが、自身の細胞を使った治療ってすごいですよね!
私も何か病気になった時のために元気な細胞を取っておきたいな

そうなんですね!では、今度親知らずの抜歯をする際、歯の幹細胞の採取を行いますか?

え!!そんなことできるんですか!

はい!細胞を採取して再生医療として使用するまで保管しますよ!

そんなことできるなんて知らなかったです、ぜひ詳しく教えてください!

歯の細胞バンクとは

患者様から抜けた乳歯や抜歯した親知らずを預かり、歯髄の中にある幹細胞を採取して保管するところです。歯の細胞バンクの講習を受講し、認定された歯科医師がいる歯科医院で抜歯をし、その歯をバンクへと送ります。届いた歯は専用の細胞培養加工施設と呼ばれる無菌のクリーンルームで処理され、取り除いた細胞を培養して増やします。細胞が増えたら、再生医療として使用するまで液体窒素の中で保管します。

幹細胞を利用した再生医療とは

幹細胞には、分裂して数を増やしていく「自己増殖能」とさまざまな組織や臓器の細胞へと変化する「多分化能」という2つの特徴があります。この働きによって、傷ついた骨や血管、神経、臓器などを修復することができる可能性があるのです。

歯髄の幹細胞を使った再生医療の実用化と普及が進めば、治療が難しい病気の早期治療が期待でき、さらには目や耳、手足などの機能を回復したりすることも可能になるかもしれません。

歯の細胞バンクのメリット

①簡単に採取することができる

幹細胞は骨髄や臍帯血などからも採取できますが、脊髄からの採取となるため体への負担が大きく、入院が必要となります。また、臍帯血は妊娠中の方からしか採取することができないため、なかなか採取することが難しいです。それに比べて、歯髄細胞は抜歯した時や自然と抜けた時に採取できるので、比較的簡単であり体への負担も大きくかかりません。

※臍帯血=胎児と母体を繋ぐへその緒の中に含まれる胎児血

②リスクを抑えることができる

歯髄の幹細胞は増殖能力が非常に高いと言われています。そのため、バンクに細胞を保管しておけば将来再生医療を受けることになった時に自分の細胞を使うことができ、拒絶反応などのリスクを抑えることも可能となります。

歯の細胞バンクのデメリット

①いざという時に役立つかどうか分からない

現時点ではまだ治療法は研究段階であり、確立されていません。そのため、治療が必要となったときに治療法の確立が間に合わず、預けた細胞が役に立たない可能性もあるのです。

②歯からの早めの採取が必要

幹細胞の採取は、歯が抜けてから早めに行わなければなりません。抜歯した歯をバンクに送る必要があるため、歯の細胞バンクの認定医がいる医院で抜歯を行いましょう。

③幹細胞を採取できないこともある

幹細胞は乳歯と永久歯どちらからでも採取することができます。しかし、年齢を重ねるごとに幹細胞は減少してしまい、さらにむし歯などがあると幹細胞がダメージを受けてしまいます。歯の状態によっては幹細胞を採取できないこともあります。

歯の細胞バンクの費用

細胞培養料として1年間で55000円かかります。2年目以降は細胞保管料として22000円が費用としてかかります。

また、細胞を再生医療として使用する場合には別途費用がかかるので、その際はかかりつけの医院で説明を受けましょう。

監修

市ヶ谷コンシェル歯科クリニック

澤谷祐大(さわたに ゆうた)

獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。


この記事を読んだ方は他にこんな記事を読んでいます。


コンシェル歯科クリニック

投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。