くま先生..歯がズキズキ痛むんです。少し前までは歯がしみるような症状だけだったので放置していたんですが、この頃症状が悪化していて。
ちょっと診てみますね。あー、だいぶ虫歯が進行してしまっていますね。
いますぐに治療が必要です。
お願いします。痛みを感じるってことはかなりやばいですかね。
歯髄にまで虫歯になっていますので、神経を抜く処置が必要ですね。
今回は歯髄炎について詳しく解説していきますね!
よろしくお願いします。
歯髄(しずい)とは、歯の中心に存在する柔らかな組織のことです。歯髄は歯の中心に存在する柔らかな組織であり、歯に栄養を送る「血管」や「神経」を含んでいます。冷たいものが「しみたり」、歯の痛みや食べ物を噛んだ時に感じる歯ごたえなどの感覚や刺激を脳に伝えるはたらきをしています。
歯の神経である「歯髄」は象牙質(歯の内部の硬い組織)で覆われています。
象牙質の中には、歯髄腔(しずいくう)と呼ばれる空洞が存在し、そこに歯髄が収まっています。歯髄は歯根の先端まで延びており、下顎管(かがくかん)と呼ばれる管を通って顎の骨と繋がっています。
歯髄炎の原因として以下のようなことが考えられます。
歯周病や虫歯が象牙質の深くまで進行すると、やがて歯髄内に炎症や感染が生じます。炎症や感染が進行すると、歯の痛みや腫れなどの症状が現れることがあります。この場合は基本的に根管治療(神経治療)を行います。
歯を強く打ったり、強い外力が加わったことで歯の組織や血管、神経にダメージを受けた場合も歯髄炎の原因となることがあります。
歯髄が機能を保てなくなった歯を「失活歯(しっかつし)」といいます。
加齢とともに歯肉が退縮(下がる)するリスクが高まります。その結果、歯根部が露出し、以前は歯肉で守られていた象牙質が露出した状態になることがあります。この状態を「歯肉退縮」といいます。
歯肉退縮が進行すると、象牙質や歯根面が露出し、歯根部分に酸や細菌に直接さらされやすくなるので、虫歯や歯周病になりやすい傾向にあります。また食べ物や冷たい飲み物による口に入れた時の温度変化などが原因で、歯根部の露出した部分に刺激が直接伝わり、一瞬ピリッとした鋭い痛みを感じることがあります。
この痛みはしばしば「知覚過敏」と呼ばれ、特に冷たい飲み物やアイスクリームなどに痛みが生じます。歯根部の露出による知覚過敏を放置すると、やがて歯髄炎を引き起こす恐れがあります。
知覚過敏の段階であれば早期治療によって歯髄炎になるのを予防することができます。ただし、熱い食べ物や飲み物で歯がしみる場合は症状が進行しているケースが多いので注意が必要です。
歯髄炎を長い間放置すると、神経が死んでしまう可能性があります。ある日突然、激痛がなくなったため「放置してても治った!」と勘違いする方もいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。痛みがなくなった=炎症や感染が進行し、神経がすでに死んでしまっていることを意味します。
歯髄炎が進行すると、やがて「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」と呼ばれる症状が引き起こされます。根尖性歯周炎は、感染や炎症が根の先に広がることで生じます。根尖性歯周炎になると、膿が歯根の先にたまります。膿は歯周組織を刺激し、歯茎の腫れや炎症を引き起こします。
歯髄は硬い歯に囲まれているので、内に膿が溜まって圧力が上昇し、耐えがたい痛みを感じるようになります。
根尖性歯周炎は治療せずに完治することはありません。放置すると悪化し、周囲の組織にまで炎症が広がります。感染した歯髄や壊死した神経を放置すると、細菌が増殖し、口臭の原因となったり、ほかの歯にまで影響を及ぼしたりします。さらに重症化して膿が周囲の組織に広がると、顎の骨(歯槽骨)が吸収し、骨が溶けてしまうなどといった深刻な問題が引き起こされる恐れがあります。
虫歯は早期治療が大切です。忙しいからと言って、違和感や痛みを放置してしまうと抜歯するしか解決法はなくなってしまいます。
コンシェル歯科クリニックでは可能な限り、歯を残せるよう最新式のマイクロスコープを使用して治療を行っています。神経や歯の状態を拡大してみることができるので、削るべき部分と温存するべき部分を正確に区別できるようになり、治療や診断の精度を大きく向上させることができます。
痛みが生じている方は是非コンシェル歯科クリニックにご相談ください。
監修
市ヶ谷コンシェル歯科クリニック
澤谷祐大(さわたに ゆうた)
獨協医科大学医学部歯科口腔外科にて研鑽を積み、2023年より市ヶ谷コンシェル歯科クリニックにて勤務。大学病院に行ってと言われた親知らず、どんな親知らず抜歯でも、市ヶ谷コンシェル歯科クリニック澤谷にお任せ下さい。
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