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歯が欠けたらどうすればいい? くま先生が最適な治療法を解説

スポーツをしている時に歯を強打したり、自転車などで走っている時に転んで歯を打ったりすると、歯が欠けてしまうことがあります。

歯が欠けると当然治療が必要になりますが、少し欠けただけの場合、歯の神経まで損傷するほど大きく欠けてしまった場合など、欠け具合によって治療方法が異なります。

この記事では、歯のコンシェルジュくま先生と診察に来た患者さんの会話から「歯が欠けた場合の治療法」について見ていきます。

保険適用範囲内の治療「レジン充填」

あれ、前歯が少し欠けてしまっていますね。

えっ、本当ですか? この前派手に転んで歯をぶつけた時に欠けたのかも。

安心してください。小さく欠けているだけなので、プラスチック製の「レジン」と呼ばれる白い詰め物を充填するだけで大丈夫ですよ。保険適用範囲内でできます。

ホッ、よかった・・・ん? ところでプラスチックで大丈夫なんでしょうか?

はい、大丈夫ですよ。たしかにセラミックや金属と比較すると強度は落ちますが、余計に歯を削ることなく治すことができます。

安心しました。もし、もっと欠けていたら、どうなってたんでしょうか?

そうですね。もし前歯が中くらいに欠けてしまっている場合は、歯の全体に被せる必要があります。保険診療だと、補綴治療といって金属のフレームの上にプラスチックを盛る被せ物治療が以前は主流でした。

銀歯のような金属ですか? 実は私、金属アレルギーがあって・・・。

安心してください。最近では、CAD/CAM冠というものを使用した先進医療が保険診療内でも可能になったので、メタルフリーな治療を行うことが可能になりました

そうだったんですね!
CAD/CAM冠とは具体的にどのような治療法なんですか?

CAD/CAM冠は、治療箇所を3Dカメラで撮影して、それをもとに被せ物の設計や加工をコンピューター主導で行い作成をしていく、という治療法です。

へー! そんな最先端な治療法が保険診療内でできるんですね。
選択肢が増えてよかったです。
ちなみに、前歯じゃなくて奥歯が欠けた場合はどうなるんですか?

審美性が高くなる自由診療での治療

でも、やっぱり詰め物や被せ物って、特に銀歯だと笑った時とか周りの目が気になったりしますよね。

そうですね。ここまで説明した保険診療内の治療では限界がありますね。ただ、自由診療(自費診療)では選択の幅がもっと広がりますよ。

自由診療ですか。
保険診療とどんな違いがあるんですか?

自由診療の場合では、オールセラミック冠が一般的で、セラミッククラウンもしくはセラミックインレーと呼ばれる白い詰め物になります。

なるほど。
でもやっぱり自由診療は高いですよね・・・?

たしかに自由診療では、保険内治療に比べると治療費が高くなりますが、その代わり安全性と審美性はとても高くなるんです。
周りの人から見ても作り物の歯だと気づかれることがほとんどないので、審美治療として銀歯を高品位セラミックに付け替える人も多くいるんですよ。

財布と相談になりますが、今度もし治療する際には自由診療も検討してみようと思います。

歯が大きく欠けてしまったら?

そういえば、この間、友人がテニスをしている時に、ラケットが顔にぶつかって歯がかなり大きく欠けちゃったみたいなんです。
そういう時も同じ治療になるんですか?

歯の大部分が欠けてしまった場合の治療は、もう少し複雑になります。神経が生きている歯で、神経を残すことができれば、全体に冠を被せる治療が可能です。
しかし、神経が露出してしまっている場合は、根管治療といって、神経を取って根っこの治療をする必要が出てきます。
この場合、神経を取った歯は脆くなって、割れたり折れたりする可能性があるので、土台を入れた後に、強度を出すために全体に被せ物をすることになります。

なるほど。神経が残せるかどうかで治療法も変わるんですね。
あれ? たしか友人は歯を抜くことになったって言ってたような・・・歯を抜く場合もあるんですか?

そこまでひどかったんですね。
歯が大きく欠けた時に、もし骨縁下組織まで広がるほど欠けてしまっていた場合は、歯の保存が難しくなり、抜歯になってしまうんです。
抜歯すると、嚙み合わせを安定させ、他の歯を長持ちさせるために、入れ歯やインプラント治療などが必要になります。
もし両隣に歯がある場合は、欠けた歯を中心に両隣の歯に人工歯の橋を被せるブリッジで治療することも可能です。

抜歯になると治療も一層大掛かりになりますね。

どちらにせよ、もし歯を大きく破損してしまった場合には、治療技術のある歯科医院で診てもらうようにしましょう。

歯が抜けたり、ぐらついた時の応急処置

歯が欠けるのとは違うかもしれませんが、もしスポーツをしている時などに、歯を強打して、ぐらぐらになってしまった場合も歯科医院に行くべきでしょうか?

そうですね。歯が抜け落ちてしまったり(脱臼)、歯がぐらぐらしてしまったり(亜脱臼)したら、すぐに歯科医院に行くべきです。
もし歯が抜け落ちた脱臼の場合は、できるだけ早く応急処置することが重要です。

応急処置ですか?

はい。抜けた歯を保存液や生理食塩水、牛乳などにつけておき、その後ただちに歯科医院に向かいます。
そして、脱臼してしまった歯の隣の健全な歯を一度あえて抜いた後に挿入し直し(再植)、歯と歯の間と裏側を接着剤で固定するのです。

歯が抜けたら諦めて放置してたらダメなんですね。

その通りです。この応急処置を迅速にすればするほど、歯を残せる可能性が高くなるんです。
腫れたり痛みが出たりして鎮痛剤などが必要になる場合もあるし、一度抜け落ちてしまった歯は神経が壊死している可能性が高く、歯の中の神経の管をきれいにする根管治療が必要になる場合もあります。
だから、放置せずすぐに歯科医院に向かってください。

なるほど。
もし歯が欠けたり、抜けたりしたら、ただちに歯医者さんに駆け込みます!
ありがとうございました。

まとめ

歯が欠けてしまった時の治療について理解することができたでしょうか。どの歯が欠けたのか、欠け具合によって治療方法が変わります。

また、保険診療範囲内の治療にするのか、それとも自由診療で高い安全性と審美性を求めるかという選択肢もあります。

歯が欠けるような事態にならないことが一番ですが、いつ自分の身にふりかかってくるかはわからないもの。もし歯が欠けてしまったら、ここで読んだことを思い出してください。

監修

コンシェルクリニックグループ代表

日本抗加齢医学会 専門医


小谷 航(こたに わたる)

現在は全国10院で各種専門医が協力して顎顔面領域に特化した医療を展開しております。治療のコンセプトはアンチエイジング、究極の予防を標榜しております。
アンチエイジングの考え方のもと、皆様と一緒に長い人生を歩んでいければと考えております。よろしくお願いいたします。


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投稿者プロフィール

くま先生
くま先生
アンチエイジングをコンセプトに治療するくま先生。歯や美容医療や薬など得意分野は多岐に渡る。教えてくま先生!と言われれば、一人ひとりの患者さんに寄り添ったコンシェルジュ的な存在として、どんな分野でも的確にアドバイスしていきます。患者さんだけでなく、先生たちにもアドバイスするよ。みんな、頼ってきてね。